男女比1:200の世界で目を覚ました主人公。彼は男女比が均等な元の日本の記憶を持っていた。そのため、この世界の数少ない男性が持つ、女性への忌避感や恐怖心を持っていない。
どうしてこんな世界になったのか、どのように今は成り立っているのか、世界の仕組みを学びながら、歪で不安定な社会構造を自らの力で少しでも是正すべく、世界で唯一メディアに身を晒せる男として、女性への感謝を伝え、男としての色気を振り撒き、沢山の男女を虜にしていく。
歴史
男女比は神話時代の1:1から、現代の1:200まで崩れ続けてきた。
時代区分と男女比の変遷
詳細タイムライン
古代(神話時代: 紀元前~3世紀)
男女比1:1の均衡期。神話では「双影の時代」と呼ばれ、男女が互いに寄り添う理想郷とされる。
六華氏の国興しが行われ、6人の神話的姉妹(梅姫・蘭姫・菖蒲姫・菊姫・桜姫・蓮姫)が、彗星の落下(聖光降臨)をきっかけに連合した。
彗星の残光を胎に宿した「残光の血脈」となった六人を中心に「霊長の庭園」を各地に築き、自然崇拝の基盤を確立。これが六華氏に代々伝わる訓「星の残光を継げ」(生命の循環を乱さず、調和せよ)の起源となる。国民に向けた大道の教え「星の華を咲かせよ」とは別に、六華氏自身の役目として内に継がれている。
史観のポイント
調和の黄金時代。争いは自然災害のみとされ、六華姉妹の連帯が永遠のモデルとして語られる。
関連用語
- 聖光降臨彗星の欠片が大地に落ち、彗星の残光が女性の胎に宿る神話的事件。姉妹たちはこれを浴び、「六華の血判」を交わし、国を興す。
- 霊長の庭園男性保護の原型施設。庭園内で女性たちが歌と舞で男性を慰める。
- 残光の血脈六華氏の遺伝的シンボル。当時もっともその発現が濃いとされていた蘭姫が代表的存在。現在は一色家(蘭姫の末裔)のみが正統に血を継ぎ、一色神楽の青白い目として発現(最高司祭の継承資格として機能、秘匿)。
1の時代(分裂の乱世: 4~12世紀)
男女比1:4。微かな歪みの始まり。原因は不明だが男性はわずかに減少、因子囲いの競争を誘発した。
六華氏の分裂と「姫君戦争」と呼ばれる閨の乱世(戦国時代相当、日本の戦国より約1000年過去)が勃発。
領土争いではなく、男性の囲い込みを巡る争いであり、各家が独自の「男性庭園」を築いて優秀な男性を独占した。
戦いは武力ではなく「閨の秘戦」(性交を通じた政治・同盟工作。美貌、教養、房中術を武器に女たちが争った)であった。
最終的に、1160年に一時的和平「棘折りの休戦」が成立するが、不安定な状態が続く。
史観のポイント
女性の閨術(性と外交の融合)が調和への道を示すとされる。
関連用語
- 姫君戦争六華分裂の総称。
- 三枕の宴同盟を結ぶ際の儀式の一種。3P。
- 閨の秘戦有力な男性を自陣へ引き込み、世継ぎを多く産むことが家格を示した戦い。
- 敵に塩を送る故事成語の由来。8世紀、菖蒲姫家と菊姫家の対立中、蘭姫の領主「塩影女」が、敵に男性の好物である塩を共有。結果、両家が三枕の宴で和解。教訓:「争いは塩のごとく、穏やかに溶かすべし」。
- 安土城史上最悪の男性収容要塞。9世紀、菊姫家の領主「織影姫」が建設。100室の「片獄牢」(豪華だが脱出不能の男性隔離室)を備え、男を売る遊郭として機能した。終了の原因は不明。
2の時代(昏き黄昏: 13~15世紀)
男女比1:8。男性出生率が急落し、世界共通の暗黒期となる。
「昏き黄昏の時代」(トワイライトエイジ)と呼ばれ、世界中で男性が急激に減少し、男性枯渇が進行した。
日本では男性の扱いを巡り「私有派」と「管理派」の内戦が勃発し、国を二分する。
14世紀、六華氏が再協力し「六華の誓い」(京の星屑大社で血判)で和平を結び、六華帝国が成立、支配体制が確立された。
現時点で遺伝が唯一残っていた一色家が最高司祭として調和の象徴になり、表向きは徳川家(梅姫の末裔)が六華の象徴代表を務め、一色家との間で納得の上、調和を維持している。
史観のポイント
「黄昏は夜明けの母胎」。六華の再連帯が再生の象徴とされる一方、SCSの反体制思想の芽ともなった。
関連用語
- 影霧の66年日本でのトワイライトエイジの別名。1320年の「影霧大発生」(世界同時の疫病・気候変動)から1386年の「影復活の灯」(六華の誓い)までを指す。
- 黄昏の双影戦私有派(近衛・有栖川中心、男性を家系私有財産化)と管理派(西園寺・華宮中心、国家共有)の対立。私有派の「玉座独占令」vs管理派の「霧影共有典」。
- 六華の誓い帝国成立の契機。六華家当主が星屑大社(京にある星華大社の前身。遷都後も誓いの地として残る)で「華の血杯」(互いの血を混ぜた杯)を飲み、調和を誓う。現代の六華宴の原型、至権令の法的基盤。一色家の血脈が司祭の正当性を裏付ける。
3の時代(文明の黎明: 16~18世紀前半)
男女比1:10。黄昏後の回復期だが、安定はしていない。
文明が進展(蒸気機関等の発明)し、他国(欧亜の帝国)との「大洋影戦争」(男性資源を巡る海戦)が勃発するが、六華氏中心に撃退、影の外交で勝利する。
同時期、海外(ガリア)で少女革命(Erara Voss the Unboundの磔刑)が勃発、Liberata Crucis(平等殉教)の教えが世界に波及。
日本にも影響を与え、反六華派の萌芽となる。18世紀前半、世界平和協定「均衡の鎖」(共有の鎖理念)締結。
史観のポイント
少女革命を「海外の影咲き」として肯定的に位置づけ、六華の優位を強調する。
関連用語
- 大洋影戦争六華氏の華宮家が外交で和平工作を行った。
- 均衡の鎖平和協定の象徴。各国がロザリオのついた鎖状のネックレスを交換、平等殉教の影響で「鎖の均衡」(不均衡の共有)を約束。現代の国連原型。
4の時代(転換の狭間: 18世紀後半、約250年前)
男女比1:10から1:15へ。人口ピークを達成後、転落開始。
医療革命「マリアの指先」(iPS細胞や人工子宮技術の爆発的進化)が起こり、性行為なしでの妊娠(人工生殖)が可能になる。
これにより人口減少に歯止めがかかるが、自然な交わりが不要になったことで、男性の役割が「精子バンク」へと変質。
男性たちは「自分はただの種馬なのか」「女は肉体ではなくデータを求めている」という絶望から、精神的なEDや女性への恐怖心(マリス症候群)を集団発症する(忌避本能/リジェクション)。
労働力不足への不満と男性権威の失墜により、帝国制から民主制への移行圧力が強まる。
史観のポイント
「狭間は新たな影の芽」。技術が調和を救うが、歪みの予兆でもある。男性の「脆さ」を慈しむ女性史観が強調される。
関連用語
- 医療革命「マリアの指先」少女革命前後に実在した人物、マリアの慈悲に例えられた医療技術革新。出生率安定も、自然妊娠の喪失がマリス症候群の引き金となった。
- 忌避本能(リジェクション)男性の集団心理。人工生殖の「無機質さ」から生まれ、女性接触を拒否。現代の女性忌避感の起源。
- マリス症候群男性の女性恐怖症。思春期以降の男性が女性を捕食者として避ける。人が蛇を怖がるのと同じ層で起こる、遺伝子に刻まれた対象への恐怖であり、二百五十年にわたり教育・説得・投薬のいずれも効果を示さなかった。恐怖と愛着は同じ回路に乗っているため、マリスのみを取り除くことはできない。恐怖そのものは消えず、知っている相手が一人ずつ例外に加わっていくことでしか縮まないとされる。女性側の過剰保護が「ガラス細工の檻」(隔離施設)として現れる。
- 霧の頂人口頂点の異名。人口バブル崩壊後、「霧降りの法」(人工生殖義務化)で対応。不満が胎教会の原始教義(自然妊娠回帰)を生む。
5の時代(民主の夜明け: 19世紀前半、約200年前)
男女比1:20。以降1:200へと悪化の一途をたどる。
民主制転換(六華帝国の崩壊、立憲君主制へ)により、首都が京都から東京へ遷都される。六華氏は権力を自らある程度手放しつつ影の影響を維持。
東京に星居殿(六華氏の新邸宅群、人工池と星華大社を含む)を建設し、日本最大の男性保護区「星盾区」を郊外に建築。人口戦略省の前身「因子守護局」設立。
先天的に全ての男性が持つようになったマリス症候群対策として管理政策を強化。六華氏の象徴としての栄華は残し国民の精神的支柱となる。
史観のポイント
「夜明けは六華の守護下に」。民主化を調和の進化として美化、保護区が再生の象徴とされる。
関連用語
- 夜明けの遷都帝国崩壊の象徴。京都の「旧星居」から東京の「新星居」へ移り、六華氏が表向き権力を譲渡(至権令の制限化)しつつ、影支配を継続。
- 星盾区初の男性保護区。壁に薔薇の棘を模した防壁、内部ではほぼ男性のみで生活することが可能。過剰保護の象徴だった檻から脱却しやや開かれた体制へと変化。
- 民主の影開き与党国護民主党の原型政党が台頭、管理政策の基盤となる。六華氏の権力譲渡が「調和の贈り物」として美化されている。
国家機関
国家の人口危機対策を担う中枢として、以下の機関が連携する。男性の保護・管理・活用を徹底し、主人公の超指標因子をプロパガンダの象徴に位置づける。
人口戦略省
国家保護局、生殖資源庁、男性管理庁を統括し、「2060年人口安定化計画」を推進。
- 国命維持特例法特異超指標対象者を特例として扱うことができる特別法。保護観察官や生活管理士の定数の撤廃の他、国の予算の対象として取れるようになる。詳細は遺伝指標制度の項を参照。
国家保護局
男性の安全確保を主眼に、警護部隊を運用。
関連用語
- 保護観察官銃器や防弾装備で護衛を担う。
- 保護観察職階級一等官、二等官、三等官、候補生
- 監護職階級監護将、監護佐、一等監護尉、二等監護尉
- 保護観察予備官正式な直属ではない状態。常に配属直後はこの状態。数週間から数か月、男性と共に過ごした上で、男性の許可を貰い正式な直属となる。
- 任用式保護観察官の任用式。毎年六月末と十二月に行われる。
- 公開合同演習国家保護局の能力(男性の保護・危機対応)を国民に示し、人口戦略省の「男性神聖化」イデオロギーを強化。反体制派への抑止力も発揮。毎年一回、夏の任用式後、総庁を中心に都内に特設エリアが作られ開催される。テレビ放映も有り。
- シティ・エスコート・ミッション首都の特定エリアを封鎖し、男性役を指定地点まで護送。保護観察官が車両、徒歩で連携し、仮想の襲撃者を排除。
- リカバリー・オペレーション男性が誘拐された想定で、保護観察官が潜入、救出を遂行、建物内での格闘戦や交渉シナリオを披露。
- クロス・ファイア・コンバット保護観察官同士の模擬戦闘。仮想の敵を制圧するスピードと連携を競う。銃器や格闘技を披露。
- 国家保護総庁庁舎、訓練所、宿舎を統括する「総庁」は、国家保護局の最高機関を象徴。
- 中央庁舎本部機能
- 保護訓練場保護観察官の戦闘・護衛訓練施設
- 監護宿舎保護観察官や職員の居住エリア
- 覆盾体制対象者を守る際の型の名称。自らの身体で男性の身体を覆う。
生殖資源庁
生命因子(精子)の管理、遺伝子バンク運営、生殖医療研究。主人公の超指標因子を最優先で分析・活用。
関連機関
- 国立生命継承研究機構(NILS: National Institute of Life Succession) – 人工授精、体外受精、因子分析を専門。人口戦略省の指示で主人公の因子を優先研究。
- 国立人口維持研究センター(NIPC: National Institute of Population Continuity) – 因子データベース構築や効率化技術を開発。NILSと連携し、主人公の因子を基盤に人口維持策を進める。
- 国家遺伝継承プログラム選定通知卵生因子を提供し妊娠を希望する女性から選ばれる、受胎プログラムの対象者に宛て、生殖資源庁長官の名で送られる。黒い封筒が目印。通常、お互いに名前を通知することはない。
無因子女性自立個体生成計画
男性因子(生命因子)に依存しない人類存続の可能性を検討するため、生殖資源庁および国立生命継承研究機構(NILS)の一部研究者によって極秘裏に進められた予備的研究。男性因子を用いずに女性個体を成立させ、将来的に女性のみで社会・軍事・国家機能を維持できるかを検証することを目的としていたが、明確な成功例として整理されることはなく、計画は検証途中の段階で凍結されている。
関連用語
- 未発現女性個体無因子女性自立個体生成計画によって生成された女性個体群の総称。生成には単為遺伝子再構成が用いられており、減数分裂後の女性因子に対して遺伝情報の再対化および再配列処理を行い、さらに発現領域の組み合わせに個体差を持たせることで単純なクローン化を回避している。同一個体由来の遺伝情報を基盤としつつも、発現様式が完全に一致しない構成となっているため、遺伝的には近縁でありながら同一個体ではない。生命維持、身体機能、認知能力はいずれも安定しているが、生殖機能および情動、欲求、愛着形成といった対人的・生物学的発現が十分に確認されなかったことから、研究者側では「発現条件を与えきれなかった存在」としてこの名称が用いられている。
- セキレイ型未発現女性個体のうち、嘉納有希子の遺伝子を基盤として生成された女性タイプを指す便宜的分類。本計画において生成された女性個体は結果的にすべてこの型に属しており、他の型は成立しなかった。身体能力、判断力、安定性が高く、即時的な情動反応が少ない特性を持つことから、日本帝国防衛軍および青薔薇隊へと配備された。その後、綾瀬幸也の生命因子を用いた補助的処置が行われ、一部の情動反応および対人反応に回復傾向が確認されている。
- 個体セキレイ、ヒバリ、ミサゴ、トビ、フクロウ、ヨタカ、ツル、アカゲラ、ウグイス、ヒヨドリ、カケス、モズ、カワセミの計13名。
男性管理庁
男性の生活、教育、メンタルケア、社会的役割を管理。
関連用語
- 生活管理士主人公の日常補助と因子採取を支援する女性。三級士は全国に五桁。二級士は九百人程、一級士は国全体でも一クラス分ほどしかいない。特級士(略称:特士)は四宮のみ。
生命因子関連
男性の精子を「生命因子」と呼び、国家資産として厳格に管理。主人公のそれは特に優位で、社会的・科学的価値が高い。
- 遺伝因子採取: 月1回の精子提供行為。学校内の専用施設で行われ、NILSやNIPCの監視下に置かれる。
- 遺伝資源提供報酬: 提供に対する高額報酬。主人公のケースは特に高額。
- 遺伝指標: 生命因子の質を数値化した指標。
- 因子提供室生命因子の採取専用の部屋。光度、温度、湿度などあらゆる面で、最も男性がリラックスできる環境を作り上げている。NILSで研究され、各地にその模倣が作られている。
帝国公安局
この世界では警察の上位組織に当たり、警察を指揮することが可能。国家の安全を脅かす犯罪やテロ、過激派活動、スパイ行為などの監視・防止の他、男性関連の犯罪を専門とする。
帝国という名はかつて、六華氏が国を支配していた頃の名残。引き続き有栖川家が公安局を実質的に支配しているが表立って公表はされていない。
関連用語
- 役職総長、副総長、警護長官、観察正、護衛殿、諜報吏
近衛騎士隊
日本帝国防衛軍内の一部門に当たる。主に式典・行事において六華氏の護衛を務める。防衛軍のエリートが集う部門であり、総隊長は軍務大臣を兼任するのが慣例となっている。近衛家が実質的に運用しているが公表はされていない。
青薔薇隊
綾瀬幸也、及び綾瀬家のより強靭な保護を目的として、帝国公安局と近衛騎士隊の精鋭によって結成された機密組織。保護観察官と連携し、移動の護衛、住居周辺の警備にあたる。
- 隊首倭瑞穂
- 副隊首蓮実弓
- 役職隊首、副隊首
六冠(実質的な指揮官/幸也の傍に侍る許可はここまで)
剣棘(六冠直属の執行官/小隊を率いる/12名)
花弁(護衛/警備/見える護衛と呼ばれる/24名)
蕾(潜入/監視/学生や一般女性に擬態し、校内にも溶け込む/30名)
根(後方支援/管制/通信/24時間体制で生活圏を完全掌握/25名)
母子共栄省
母と子の「共栄」を掲げ、女性の自立と子育ての両立を支援。女性の積極性を尊重しつつ、国家の人口維持目標を後押し。母子家庭への高額補助、育児休暇制度の強化、女性同士の育児シェアリング支援。
外務省
対外交渉、条約、国際会議の実務を担う。長は外務大臣。華宮家は外遊や儀礼を通じて外交の顔を務めるが、国としての外交実務は外務省が担う。
遺伝指標制度
生命因子の質と運用能力を数値化し、遺伝資源提供報酬を算出するための国家制度。
遺伝的優劣を測るものではなく、「国家運用上の有効供給能力」を評価する指数である。
遺伝の素質のみならず、慢性ストレス・運動習慣・内分泌状態・生活安定度といった発現状態を含む総合評価として機能する。
遺伝指標
生命因子の質を数値化した指標。測定項目は七つあり、それぞれに配点が設けられている。
配点の加重平均によって指標点が算出され、スコアによってランク区分が決まる。
測定七項目と配点
- 因子密度(FDC)15%。億cells/mL単位。物理的供給量を示す。
- 総運動率(MOT)15%。%単位。活動可能比率を示す。
- 前進運動速度(VSL)10%。µm/s単位。臨床到達能力を示す。
- 生存率(VIA)10%。%単位。時間経過に対する耐性を示す。
- DNA健全度(DII)20%。%単位。遺伝情報の完全性を示す。
- 凍結耐性(CRI)10%。0から1の指数。凍結・解凍時の損耗耐性を示す。
- 容量化効率(CAP)20%。0から1の指数。国家規格パック化の効率を示す。
各項目は優指標の国家基準値を100点として換算される。基準値は理論最大ではなく、臨床上十分に安定し高品質と認められる水準を指す。100点で頭打ちとすることで理論値の暴走を制度側で抑制している。
ランク区分
- 普指標スコア0から79。一般的な水準で主力採取対象。
- 良指標スコア80から119。良好な水準で主力採取対象。良上位(112から118)は発現状態の改善によって到達できる場合がある。
- 優指標スコア120から159。優秀で保護対象。
- 超指標スコア160から239。
- 特異超指標スコア240以上。現在は綾瀬幸也のみが該当(スコア255)。
※UEFの上限設計により、指標が優を超えた場合でも運用上の性能は頭打ちとなる。
PAU(妊娠配分単位)
遺伝資源提供報酬の算定に用いられる国家規格単位。理論上「1妊娠成立を期待できる」量を1PAUとして定義する。
PAU導入以前は採取回数を算定単位としていたが、採取量や指標の差を報酬に反映できない問題があり、第二次改正により全面移行した。
理論PAUの算出
理論PAU = (採取量cc / 基準採取量cc) x 3 x UEF
- 基準採取量は4cc。
- UEFは有効化係数。質効率(QEF)・活動効率(AEF)・安定効率(SEF)の積で算出される。
UEF(有効化係数)
UEF = QEF x AEF x SEF
- QEF(質効率)主にDIIに基づく。不適合・欠損ロスを減らす係数。上限2.0。
- AEF(活動効率)主にMOT・VSLに基づく。臨床工程で有効化できる割合を押し上げる係数。上限2.0。
- SEF(安定効率)主にCRI・CAPに基づく。凍結・輸送・再解凍・保管工程での損耗を抑制する係数。上限1.1。
UEFの上限設計により、遺伝指標が極端に高くても妊娠人数が比例して跳ね上がらないよう制度側で制御されている。
実効PAU
実効PAU = 理論PAU x 用途係数
- 国内利用:0.75から0.85
- 国外持ち帰り:0.55から0.70
参考数値:普指標男性と綾瀬幸也の比較
- 普指標男性(採取量4cc、UEF1.0)理論PAU3。一度の採取で3名の妊娠が期待できる。
- 綾瀬幸也(採取量31cc、UEF4.0)理論PAU93、制度丸め90。月30回提供で2700PAU。
遺伝資源提供報酬
生命因子の提供に対して国家が支給する報酬。因子法(生命因子の保全、管理及び提供に関する法律)によって規定される。
報酬算定式(PAU導入後)
遺伝資源提供報酬 = 基本給 + (PAU x 単価) x 用途係数
月2回目以降の増額分 = max(0, PAU_n - PAU_1) x ボーナス単価
法律の変遷
- 生命因子の保全、管理及び提供に関する法律(略称:生命因子保全管理法 / 通称:命の法・因子法)
本制度の根拠となる基本法。第四章「提供報酬」に採取4cc1回・定額支給・超指標報酬80万円が規定されていた。
-
- 第一次改正第四章の二として「複数回提供に係る増額措置」を追加。同月2回目以降の提供に対する増額を規定。
- 人口戦略省告示「生命因子特別提供措置要綱」第一次改正後、綾瀬幸也の採取量・指標に既存の法律が対応できなかったため、省庁レベルの告示として急遽制定された暫定措置。2回目以降の増額規定に当てはめ、分割支給として処理した。法律ではなく告示であったため問題点が多く、第二次改正にて吸収・廃止された。
- 第二次改正第四章の二を全面置換し、PAUを算定単位として明記。告示の暫定措置を法律本体に吸収・整理。増額部分の算定単位をPAU基準とし、全男性において改正後も従来額を下回らないことを明記。
- 国命維持特例法特異超指標対象者への特例を規定する特別法。制定当初は超指標因子を対象としていたが、法改正により特異超指標対象者へと改められた。超指標因子への報酬として対象者を特例扱いし、保護観察官・生活管理士の定数撤廃、国家予算からの充当を可能とする。生命因子保全管理法の上位に位置する。
- 特異超指標運用協定国命維持特例法と連動する内部協定。現状は綾瀬幸也を名指しで指定している。PAU増額分の現金支給を30%上限とし、残り70%を国命維持特例法予算へ振り替える。振替分は保護観察官増員・生活管理士増員・警備・住居・医療・移動保障に充当。他の男性への波及は13条で明示的に禁じられている。
綾瀬幸也への適用数値
- 理論PAU / 1回:90
- 月30回提供時:2700PAU
- 現金換算 / 1回:約2550万円
- 現金換算 / 月:約7億6500万円
- 外交適用時:最大9億円 / 月
- 実支給:現金30% + 環境補助70%(国命維持特例法予算)
指標の後天的変動
遺伝指標は遺伝子そのものを評価しないため、発現状態の変化によってスコアが変動する。
慢性ストレスの軽減や運動習慣の形成により、MOT・VSL・VIA・CAPが改善される。FDCとDIIはほぼ不変。
幸也周囲男性の事例:普指標から良上位(112から118)への上昇
- MOT:35から45% → 約60%
- VSL:18から24µm/s → 約31µm/s
- VIA:45から60% → 約75%
- CAP:0.40から0.52 → 約0.65
発現状態の改善によりUEFが上昇し、総合スコアが112から118の範囲(良上位)へ到達した。
優指標(120以上)には届かないが、「優寄りの良」として制度上は区別されている。
六華氏と七宝家
現代日本の皇族に相当する、古代の国興し者たちの末裔からなる六つの貴族家系。全員が主人公の味方として、影から支える。自然の六華(梅・蘭・菖蒲・菊・桜・蓮)を象徴し、大道の守護者。大道の教え「星の華を咲かせよ」を体現。
国、企業問わず、権力者からは恐れられており、どこかの庇護下にいても油断しないよう、六華氏同士はあまり仲が良くないように見せている。
- 徳川家(当主: ゆゆ)家紋は剣梅鉢。政治への影の介入を専門。国家の裏側を操る。
- 近衛家(当主: ゆき)家紋は立ち菖蒲菱。日本帝国防衛軍の実質的な指揮権を持ち、近衛騎士隊を率いる軍事の要。
- 西園寺家(当主: 玲)家紋は光琳蓮の丸。西園寺グループを統括し、国内の流通・小売・製造を経済面で支配。西園百貨店が主人公の住居に御用聞きとして出入り。
- 有栖川家(当主: さとり)家紋は影十六菊。警察を事実上支配。男性関連事件を扱う帝国公安局を操る。
- 華宮家(当主: 星蘭)家紋は雪輪に八重桜。外交に長け、プリンセスセイランとして諸外国から厚い信頼を集める。
- 一色家(当主: 神楽)家紋は三つ割り胡蝶蘭。大道の最高位司祭を務め、宗教的権威の頂点。星華大社の守護者。住居は星華大社の裏手にあり、華影邸と呼ばれる。
関連用語
- 六華宴毎年初夏と秋に開催。六華氏主宰の園遊会
- 六華至権令六華氏の現存メンバー全員の満場一致の賛同により発令される強権。各省庁他、警察、軍、国営放送などに直接指示を出すことができる。十数年前に先代の徳川がその効力を弱め、法律を全て無視できるわけではないこと、議会の一定数があれば解除できることから、今はそれほど強力ではない。
- 六華終極令同じく徳川の手により現存しない。人を対象に取り「終極の希望」の名を与えた者を、六華氏の上位存在と位置付けることができる。至権令と合わせて利用される。
- 星居殿六華氏の邸宅が集まる大きな区域、中央には人工池がある。一色の区画と隣接するように大道の総本山、星華大社が存在する。また徳川家側には東京駅がある。
七宝家
六華氏からはワンランク下に位置。うち六家は六華氏との姉妹家となっている。家を存続させるための制度が国に存在するが、特権は存在しない。
- 千歳家当主が双子
- 阿澄家(当主:奏)姉妹家は有栖川。表立ってはいないが十六夜会という反社会的勢力を運営。
- 倭家(当主:瑞穂)姉妹家は近衛。軍に関わりの深い家。
- 綾錦家(当主:縹)姉妹家は華宮。星蘭の下で服飾企業を複数運営する。
- 退紅家姉妹家は一色。現存しない。
宗教と政治
宗教
大道
自然の調和と生命の循環を崇める国教的な宗教。神道に似た自然崇拝を基調とし、「母なる大地の恵み」を強調。日常的にゆるく信奉され、宇宙の星屑が地上の華に宿る「星の華」を象徴とする教え「星の華を咲かせよ」が核心。総本山は星華大社で、星居殿と隣接。一色神楽が最高位司祭として大道を代表し、六華氏全体の支柱となる。
関連用語
- 星華祭星華還礼大儀。毎年8月、役目を終えた星の光を宙へと返し新たな巡りを祈る
- 六華の誓い一色家主催の秋の儀式。1386年に星屑大社で結ばれた六華の誓いに由来し、六華の花を捧げ、調和を誓う。
Liberata Crucis - 平等殉教
Erara Voss the Unbound (Unbound は革命後の尊称) の死を男女平等の原点とする、ガリアで生まれた宗教。貴族の鎖を断ち切り、全ての人間が自由に生きられる世界を目指す。厳格な教義ではなく日常的な実践と象徴崇拝を重視する。
- 核心理念
- 1.Liberation through Sacrifice(犠牲による解放) 少女の磔刑を模範とし、他者のために自らの犠牲を厭わない精神。
- 2.Equality of Chains(鎖の平等) 男女比の崩壊がもたらした不均衡を「共有の鎖」と呼び、誰もが互いの自由を尊重する平等社会を目指す。
- 3.Dawn of Fraternity(兄弟姉妹の夜明け) 少女の死後、女性たちが男性を「失われた兄弟」として迎え入れる理想。家族単位での「解放の誓い」を重視し、子育てや教育で男女平等を育む。
少女革命
貴族の圧政と男性の独占が行われていた時代に、エララという一人の少女をきっかけに起こった革命。平等殉教の生まれ。この頃より平等と自由がより強く叫ばれるようになる。
- 1.Erara Voss the Unbound(縛れざるエララ・ボス)森の民の少女、革命の途中に処刑される。磔刑の最中にも折れずに声を上げ続けたエララの姿から、十字架が解放のシンボルとされる。Vossにもその地方の言葉で狐という意味があり、狡猾に貴族を欺いた逸話から来る、こちらも尊称であるという説もある。
- 2.Isolde Thorne Liberatrix (解放者イソルデ・ソーン)貴族の侍女として潜入し、内部から革命を導いた
- 3.Aeliana Breaker (破壊者アエリアナ)尊称は鍛冶屋のハンマーで鎖を砕いたという逸話から。鍛冶屋の娘で、武器を蓄えながら蜂起を組織した。
政治
与野党の対立が国家の男性管理政策をめぐり激化。反体制派は嫉妬と理想から行動を起こす。現内閣総理大臣は藤堂鏡花。
与党
- 国護民主党男性管理を国家主導で推進。「人口危機は国の責任」とのプロパガンダを展開。
- 未来継承党人口維持と科学技術による国家再生を重視。「国護民主党」の連立パートナー。
野党
- 進歩連合伝統回帰と男性保護の強化。国家保護局の権限拡大を主張。
- 自由共生党個人自由と男女の共生。男性の国家管理を最小限にし、恋愛自由を重視。
- 人民共有党男性の「共有」を主張し、反体制派と緩やかに連携。議席拡大を狙う。
反体制派
星輝共有戦線(SCS: Stellar Communion Front)
保護観察官や生活管理士の職に就けなかった女性、男性を見ることもなく一生を終えることもある地方出身の女性が中心。国家の独占管理への嫉妬から男性の解放を掲げているが、過去には何度も男性への性的暴力など多くの事件を起こしている。一部からは「デブリ共」(価値のない宇宙ゴミ)と蔑称される。
SCS・深層派「燐光」
星輝共有戦線内部の過激派。表の「共有」理念を極端に歪め、燐の王女を絶対崇拝する秘密結社。
-
- 燐の王女???
胎教会
自然妊娠こそが人間の本来の姿だと主張する団体。男性の女性不信や因子の極端な希少性から現実味が薄く、現在は活動を潜めている。星や花のモチーフを崇拝し、大道の教えに近いが、より原始的な生命循環を強調。
世界
星海協和会議と因子先進国十二カ国、会議に参加していない国々、そして国家の外にある組織。
星海協和会議
因子先進国十二カ国が一堂に会し、男性をめぐる国際的な共栄関係を議す非公開の協議の場。正式名称を星海協和会議、別称をネクターコンクレイヴという。日本の主催により、公海上に置かれた超大型クルーズ客船を会場として開催された。
進行と議長は華宮星蘭が務めるが、外交行政上の主担当は外務省(外務大臣)であり、華宮は儀礼的な外交の顔としての役を担う。会期は3泊4日。場の性格上、各国首長への「警戒していない」という敬意を示す配慮として、船内で幸也に直接の護衛は付けず、保護観察官が従業員に擬装して各所に待機する形式が取られた。
主催者である日本側より、参加全十二カ国に対し500PAUを配布する用意がある旨が初日に公表された。これは幸也自身の意思によるものである。
関連用語
- ネクター神々が分け合うとされる最も甘美な液体、神酒。口にした者を死から遠ざけ、不滅の繋がりを与えるとされる。会議の別称はここに由来する。
- PAU妊娠配分単位。詳細は遺伝指標制度の項を参照。500PAUは500人分の妊娠成立が期待できる量に相当する。
M/V Sovereign of Tides
ユニオン・オブ・アヴァロン国営造船公社が建造した、現存する世界最大の超大型クルーズ客船。協和会議の会場として、アヴァロン大統領ヴィクトリア・ハートフォードが無条件で貸し出した。全長392m、総トン数23万8千トン。船体は純白、船首から船尾まで一本の金のラインが水平に走り、船首には双頭の鷹を象った黄金の舳先飾りを戴く。アヴァロン建国の紋章そのものである。
- Deck 6コンコード・ルーム。円形会議室。大円卓を備えた窓のない密閉空間。
- Deck 7オーロラ・ホール。立食パーティー、会食、舞踏会の会場。
- Deck 8チャーチル・バーおよび各国首長の客室フロア。
- Deck 9ハートフォード・スイート。綾瀬幸也の特別室。船内で唯一このフロアに置かれている。
- 甲板温水プール、リラクゼーションスパ。会期中は幸也専用。
- その他美術品展示廊下、カジノ、フィットネスジム、サウナルーム。
コンクレイヴ警備艦隊
会場護衛は日本帝国防衛軍が指揮を執り、ユニオン・オブ・アヴァロン海軍、シュタールマルク海軍が随伴する複合防衛網が形成された。海上警備の総指揮は大元帥、八千代流星。実戦指揮は当時の軍務大臣、倭瑞穂。
- 天頂(あまのいただき)コンクレイヴ警備艦隊旗艦。日本帝国防衛軍所属の大型空母。艦載機を含む航空戦力を常時展開状態とし、周辺空域の制圧を担う。
- HMS Excaliburユニオン・オブ・アヴァロン海軍の主力空母。ソヴリン・オブ・タイズの右舷に並走する形で随伴。
- アヴァロン海軍イージス護衛艦三隻
- シュタールマルク海軍誘導ミサイル駆逐艦二隻
- 星宿(せいしゅく)日本帝国防衛軍所属の大型空母。幸也が日本国内よりヘリで一度経由した中継地点。潮都の海軍基地に展開。
因子先進国
協和会議に参加した十二の正式国家。それぞれが固有の思想と国体を持ち、男性と因子をめぐる立場を異にする。各国は二語の標語を国体の核に据えている。
ユニオン・オブ・アヴァロン
北米大陸に位置する大統領制国家。民主主義と自由市場経済を国是とし、世界最大の大国として各国に国外基地を持つ。日本と安保条約を締結。標語は「契約と栄華」。契約至上の思想を持ち、男性は国家資産であるが本人の選択を尊重、対価は全て金額にて還元される。欲望を肯定する文化を持つ。
- 首長ヴィクトリア・ハートフォード大統領(軍最高司令官兼任)
シュタールマルク
中欧に位置する軍民信任制国家。鋼の審判(Stahlgericht)と呼ばれる、軍部全階級からの信任と国民信任投票を経て総帥執政官を選出する制度を国体の根幹に据える。アヴァロンと並び世界各地に国外基地を持つ。標語は「規律と誇り」。軍律国家。男性は「女の規律を映す鏡」とされ、女性が強くあれば男性もまた強くあれるという思想を持つ。
- 首長イルゼ・フォン・シュタールマルク総帥執政官(Oberste Exekutorin)
- 宰相ハンナ・クラウゼ
マドリヴェラ
南欧に位置する大統領制国家。標語は「情熱と献身」。礼を尽くすには「言葉から」と捉える文化を持つ。非国家主体との距離が近く、その危機に最も直接さらされている。華宮家と親密。
- 首長カミラ・ペレス大統領
ツァーリナ連邦
北方大陸に位置する中央集権国家。標語は「理性と安定」。男性も女性も国により徹底管理され、個人の欲を不要とする代わりに生活に必要なものは全て国から提供される。男性の月平均PAUは4超、これは世界唯一の数値であり、因子の輸出量も世界一を誇る。
- 首長アナスタシア・ヴォルコヴァ・ツァーリナ連邦書記長
関連用語
- リュオラ(口腔因子保護剤ОГЗ型)アナスタシアが開発した研究製品。口腔内に塗布する外用ジェルで、唾液の因子分解作用を中和する。
フィヨルディア王国
北欧に位置する王政国家。標語は「自由と共生」。自然共生型の国家観を持ち、国家管理を最小限にとどめ、恋愛は自由とされる。過剰保護を行わない結果として、男性の精神的安定度が高い。通信・物資輸送ともに当国を経由しなければ機能しない、北方海上の要所に位置する。
- 首長フレイヤ・アヴ・ノルドストロム女王
ラ・ヴァロワ聖座共和国
西欧に位置する聖座共和国(宗教指導者が元首)。旧国名はガリア。標語は「解放と平等」。平等殉教の系譜にあり、当地は平等殉教発祥の聖地である。男女は兄妹・共に鎖を背負う存在と捉え、束縛は理念上の禁忌とする。会議唯一の共有主義国家からの参加。因子運用も巧みで男性の満足度も低くない。
- 首長ソフィー=クレール・ヴァロワ聖女教皇
龍明国
東アジアに位置する帝政国家。日本の隣国。標語は「龍脈と永遠」。大地に流れる気の道筋を「龍脈」と呼び、その上に人々が寄り添って生きる思想を持つ。男性の因子こそが龍脈を維持する力の源であり、男性とその因子を守ることは国土そのものを守ることと同義とされる。男性管理はシェルター型モデル。国内の省ごとに設置されたシェルターに男性のみがほぼ自活に近い形で分散居住する。
- 首長明 華琳(ミン・ファリン)女皇
タナスリ王政
東南アジアに位置する王政国家(皇女統治)。標語は「王権と秘宝」。王権独占を国体の根幹とし、男性は宝石・神秘的資源として一元集中管理される対象とされる。国内にシュタールマルクの国外基地が存在する。
- 首長リヤナ・タナスリ皇女
サヤナ王国
東南アジアに位置する双王制国家。標語は「資源と繁栄」。資源共有を国是とし、男性は「資源より価値がある資源」とされる。
- 首長マヤ・サヤナ/カヤ・サヤナ双王(姉妹)
ナサリエ神国
中東に位置する神授王権国家(双子統治)。標語は「神授と奉仕」。男性は神の贈り物であり、女性はその奉仕者と位置付ける神授奉仕主義を国体の根幹に据える。「神の欠片を危険な場所に置くことは神への冒涜である」という信仰的確信を持つ。
- 首長ザフラ・アル=ナサリエ/ライラ・アル=ナサリエ(姉妹)
ヌルザハラ連邦
南方大陸に広く位置する連邦制国家(盟主制)。数百の部族から成る複合国家。標語は「大地と慈愛」。母性連帯を国是とし、男性は「大地の種」、女性は「守る土壌」とされ、未来を宿す存在として男性を女性全員で守る思想を持つ。大陸内の小国・自治領の因子を一旦集約・運用して各国に還元する仕組みを整え、南方大陸は世界で唯一、全ての国で因子自給を達成した大陸となっている。
- 首長ナイラ・カラバ盟主
ソラネス帝国
南米大陸に位置する帝政国家(太陽神信仰国家)。標語は「太陽と聖約」。男性は「太陽の欠片」、女性は「夜(宵闇)」とされ、男女の交わりは神聖な儀式と位置付けられる。会話に至るまでが神聖儀式として扱われ、女性側から男性に声をかけることが憚られる文化を持つ。
- 首長イネス・ソラネス女皇
協和会議非参加国
星海協和会議に参加していない国家群。因子先進国十二カ国には数えられないものの、いずれも独自の国体と因子運用を持つ正式な国家である。各国は「○○と○○の国」の形式で標語を掲げる。
ホワイトクリフ連合王国
西欧の沖、霧深い海峡を隔てて大陸と向き合う島国。かつて七つの海に旗を立て、アヴァロンの祖となった旧き王国。標語は「議会と礼節の国」。国家保護体制の古参国であり、男性を「紳士」として格式付きで登録する。
大洋影戦争で六華に退けられた欧亜の帝国のひとつ。今も日本とは儀礼的な距離があり、交渉はアヴァロンを通して進むことが多い。
- 首長エレノア・ペンブルック首相
- 女王シャーロット・ホワイトクリフ(象徴)
- 近隣ラ・ヴァロワ聖座共和国(海峡の対岸)、フィヨルディア王国(北海の向こう)、シュタールマルク
- 元の国イギリス
ロマーナ共和国
南欧、地中海へ長靴のように突き出した半島の国。千年の都と、聖座の旧領を抱える。標語は「炉火と芸術の国」。男性を「家の火」とみなし、家族単位で守る私有寄りの穏健国家。
エララ・ヴォスの聖遺物の一部を所有しており、ラ・ヴァロワ聖座共和国との間で返還問題がくすぶっている。
- 首長ルクレツィア・フォルナーリ執政
- 近隣ラ・ヴァロワ聖座共和国、ヘルヴェト中立連邦(北の山脈越し)、マドリヴェラ(地中海の西)、ポリス共和国(海を挟んだ東)
- 元の国イタリア
作中作
- 歌劇『炉火の番人(イル・クストーデ・デッラ・フィアンマ)』女性作曲家アルテミジア・ロッシ作。国が男性を「家の火」として囲い込む思想を固めていった時代に書かれた。表向きは神殿を讃える作品として上演許可を得たが、中身は「守られる火であることを、男自身が拒む」物語であり、本国では長く半ば禁じられてきた。
- 一幕疫病で男が絶えかけた都。最後に残った青年ルーチョは、神殿の奥で「聖なる炉の火」として巫女たちに匿われている。
- 二幕若い巫女アウレリアは、火を絶やさぬ務めとルーチョへの想いの間で揺れる。執政は彼を都の所有物として神殿から引き渡すよう迫る。
- 三幕引き渡しの夜、ルーチョは自ら炉の前に立ち、巫女たちを守る側に回ると宣言する。火は消えず、番人がひとり増えて幕が下りる。
- 配役ルーチョ(バリトン/唯一の男役)、アウレリア(ソプラノ/若い巫女)、大巫女(メゾソプラノ/ルーチョを我が子のように守る)、執政(コントラルト/敵役だが都を救いたい一心の人物)
- 名高い一節(三幕、ルーチョのアリア)『 Non sono il vostro fuoco. Sono colui che lo custodisce. 』──僕は君たちの火じゃない。その火を守る者だ。
- それとない設定ロッシの総譜では、ルーチョのパートが女性には出せぬほど低く書かれており、余白に「いつか、この声で歌う者のために」との書き込みがある。二百年近く、男役歌手が音を上げて歌うほかなく、原譜どおりに歌われたことは一度もない。ルクレツィア執政はこの作品の熱心な愛好家で、自国の思想と真逆の結末を愛している矛盾を自覚している。
- 対比マドリヴェラの『黄金の夜会』が女の側から男を求める物語であるのに対し、こちらは男の側から応える物語。
ビザンテ大公国
西方大陸と東方の境、ふたつの海を繋ぐ細い海峡に跨る国。都は海峡の両岸に広がる。標語は「海峡と交易の国」。自国は国家保護体制を取るが、本業は因子の中継貿易であり、北方大陸ツァーリナの輸出品もこの海峡を通る。
ナサリエともアヴァロンとも取引しており、密輸ルートの噂が絶えない。
- 首長セラ・ビザンテ大公
- 宰相アイシェ・デミレル
- 近隣ポリス共和国(エーゲの海越し)、ナサリエ神国(南東)、ファルシーナ王国(東)、ツァーリナ連邦(北の内海越し)
- 元の国トルコ
ファルシーナ王国
※国名未決定
西方大陸の東端、ナサリエの東に広がる高原の国。古い詩人の墓と、青いタイルの都を持つ。標語は「詩歌と星辰の国」。採取や婚配の時期を星読みによって定める。
大道の「星の華」と教義が響き合い、華宮と私的な文通がある。ナサリエ神国とは宗派の違いから関係が冷えている。
- 首長シリン・ファルシーナ女王
- 宮廷占星官ロクサナ・アミリ
- 近隣ナサリエ神国(西)、ビザンテ大公国(北西)、ガンガー共和国(東)、テングリア女汗国(北東)
- 元の国イラン
人物
- シリン・ファルシーナ(女王)
- 容姿黒檀の巻き髪を宝石の網で留め、アーモンド形の深緑の瞳。華奢で、声が低く柔らかい。
- 背景国の詩人たちに千篇を超える詩を捧げられてきた「詠われる女王」。本人は美貌を政治の道具と割り切っている。
- それとない設定自分の顔より、ロクサナを連れて歩くほうが外交の効果が高いと知っており、少しだけ悔しがっている。
- ロクサナ・アミリ(宮廷占星官)
- 容姿銀に近い灰金の長い髪に、星を映したような淡い紫の瞳。ヴェール越しでも輪郭だけで人が振り返る。
- 背景「世界三大美女」のひとり(残る二名は未定)。国外にほとんど出ないため、写真一枚が高値で取引されるほど神秘化されている。
- それとない設定数年前、星読みで「東の島国に落ちてきた星」が現れると予言していた。綾瀬幸也のことだと、本人だけが確信している。
ガンガー共和国
南アジア、北を世界の屋根に塞がれ、三方を海に囲まれた亜大陸の国。聖なる大河が国土を貫く。標語は「大河と多神の国」。人口は世界最大級ながら男女比は最悪で、因子を輸入に頼る。
会議の参加枠を本気で狙っており、サヤナ王国とは資源面で対立している。綾瀬幸也の映像の無許可編集版が最も出回っている国でもある。
- 首長ラクシュミ・ヴァルマ首相
- 近隣ファルシーナ王国(西)、龍明国(北の山脈越し)、サヤナ王国(東南の海)
- 元の国インド
人物
- ラクシュミ・ヴァルマ(首相)
- 容姿腰まで届く漆黒の髪、琥珀色の瞳、褐色の肌。額に赤い印。長身で、サリーの着こなしだけで場を支配する。
- 背景映画大国ガンガーの元トップ女優。男優がほぼいないため男役も自らこなし、「千の映画で男を演じた女」と呼ばれた。
- それとない設定綾瀬幸也の無許可編集版は、取り締まるふりをしながら人気取りのため黙認している節がある。
槿花国(きんかこく)
東アジア、日本海を挟んだ西隣。龍明国と日本の間に突き出す半島の国。標語は「星光と研鑽の国」。日本の指標制度を模倣し、日本以上に苛烈な点数競争としている。
龍明と日本の間で揺れていたが、綾瀬幸也の出現で世論が一気に日本寄りとなった。
- 首長尹 瑞妍(ユン・ソヨン)大統領
- 近隣日本(海峡越し)、龍明国(北西)、テングリア女汗国(北の彼方)
- 元の国韓国
人物
- 尹 瑞妍(ユン・ソヨン/大統領)
- 容姿黒髪のボブに陶器のような白い肌。小柄で脚が長く、笑うと目が三日月になる。四十手前には見えない。
- 背景十代で国民的アイドルグループのセンターを務めた。点数競争の国で「指標の低い少女が歌で一番になった」象徴として、そのまま政界に担ぎ上げられた。
- それとない設定今でもカメラの前での角度は完璧。ただし引退理由は公表されていない「指標の再査定」で、政敵に突かれる弱みとなっている。
テングリア女汗国
北方大陸ツァーリナと龍明国に挟まれた、海を持たない内陸の大草原。かつて大陸の東西を馬で繋いだ騎馬の民の国。標語は「蒼天と騎馬の国」。男性が氏族の間を季節ごとに巡る移動婚を取り、共有に近い形だが、運用は国家ではなく氏族単位で行われる。
近衛騎士隊の儀礼用の馬はテングリア産であり、近衛家と古い縁がある。
- 首長ボルテ・テングリ女汗
- 近隣ツァーリナ連邦(北)、龍明国(南)、ファルシーナ王国(南西の彼方)
- 元の国モンゴル(中央アジア一帯を含む)
ヴィスワニア王国
東欧の北、シュタールマルクの東隣に広がる平原の国。幾度も地図から消され、そのたびに蘇ってきた。標語は「信仰と不屈の国」。国家保護体制を取るが、ノーラ自治圏から人が流れ込み、対応に苦慮している。
国の存続をシュタールマルクに頼っており、ノーラの監視役を押し付けられて不満を抱えている。
- 首長ヤドヴィガ・ヴィスワニア女王
- 近隣シュタールマルク(西)、ノーラ自治圏(北東のバルト海東岸)、ツァーリナ連邦(東)
- 元の国ポーランド
人物
- ヤドヴィガ・ヴィスワニア(女王)
- 容姿蜂蜜色の長い三つ編みに灰青の瞳。四宮雅を超える大きな胸と尻を、喪服のような黒の礼装で包む。
- 背景ヴィスワニアでは、豊かな体つきは「飢えと戦を越えて生き残る母の器」として、昔から女王の資格に数えられてきた。国民には誇りだが、シュタールマルクの式典では「規律に欠ける身体」と陰で言われており、本人もそれを知っている。
- それとない設定日本の指標では大幅な減点となるため、四宮の話を聞いて妙な親近感を抱いている。
ポリス共和国
南欧の東端、無数の島々が青い海に散らばる国。民主と哲学の揺り籠とされる。標語は「叡智と神殿の国」。男性は神殿付きで保護され、「神殿の子」と呼ばれる。
財政難にあり、ヘルヴェト中立連邦に多額の債務を抱えている。
- 首長ディオティマ・カリス執政官
- 近隣ビザンテ大公国(海を挟んだ東)、ロマーナ共和国(西の海越し)
- 元の国ギリシャ
人物
- ディオティマ・カリス(執政官)
- 容姿陽に透けるとオリーブ色に光る、ゆるく波打つ栗色の髪。海と同じ深い群青の瞳。日に焼けた肌に白い麻のペプロスを纏う。彫像のように均整の取れた長身で、鎖骨と肩の線がとくに美しい。
- 背景ポリスでは美は「均整」とされ、神殿の彫像に似ていることが最高の賛辞。十代で神殿の女神像のモデルに選ばれ、今も首都の神殿には彼女を写した像が立つ。哲学の学位を持つ論客で、演説より問答を得意とし、問いを重ねて相手に結論を言わせるやり方で政敵を黙らせてきた。
- それとない設定債務の担保として「神殿の子」の因子の一部をヘルヴェトへ差し出す密約を結ばされている。国民には伏せており、自分の像の前を通るたびに目を逸らすのが癖になっている。
- 対比均整を尊ぶ国柄ゆえ、ヤドヴィガ女王の豊かな体つきとは美の基準が対照的。
ヘルヴェト中立連邦
中欧、シュタールマルクの南、万年雪の山々に囲まれた小さな内陸の国。いくつもの言葉が話され、長く戦に加わらずにいる。標語は「中立と秘匿の国」。自国の男性は少ないが、世界の因子銀行として匿名での凍結保存を請け負う。
各国要人の「個人因子口座」を預かり、綾瀬幸也の口座開設もひそかに打診している。ツァーリナ連邦の凍結技術とは商売敵。
- 首長マドレーヌ・ツヴィングリ連邦議長
- 近隣シュタールマルク(北)、ラ・ヴァロワ聖座共和国(西)、ロマーナ共和国(南)
- 元の国スイス
ウルル連邦
南半球、赤い大地がひとつの島にして大陸を成す国。南十字の下、固有の生き物ばかりが暮らす。標語は「南十字と開拓の国」。世界一厳しい検疫国家であり、因子の輸入にも慎重。
男性の平均寿命が世界で最も長いが、その理由を説明できた国はまだない。
- 首長マチルダ・クーパー首相
- 近隣サヤナ王国(北の海越し)
- 元の国オーストラリア
アンデシア共和国
南米の西、大陸の背骨たる山脈に沿って南北に細長く伸びる国。北は乾いた砂漠、南は氷河の果てまで続く。標語は「高嶺と鉱脈の国」。国家保護体制を取り、高地の村に男性が隠れ住むという「山の婿」の伝承が残る。
因子保存装置に用いる希少鉱物の産地。太陽信仰の本家の座をソラネス帝国と争っている。
- 首長ヴァレンティナ・ロハス大統領
- 近隣ソラネス帝国(北東)
- 元の国チリ・アルゼンチン
非国家主体
国際法上の立場が曖昧な共有主義系組織の総称。華宮家が訪れ交流する対象は正式な国家のみであり、これらの組織との接触すらも国際的に難しい。共通して、男性を持たず近隣国から因子を購入する形で存続している、または産まれた男性が定着しないまま国家としての体を成さなくなった共同体である。
協和会議において、アヴァロン大統領ヴィクトリア・ハートフォードが八つの共有主義系組織が内部で密に連携していることを指摘した。表向きの特色は意図して見せかけられたものであり、外からは捉えにくい形で結ばれている。
ノーラ自治圏
バルト海東岸に位置する反国家思想系の自治圏。国際社会では国として認められていない。強い反国家思想と若年層への思想教育、活発化する国際ロビー活動を行う。日本国内における反体制テロ組織SCSおよびその深層派「燐光」の背後にいる最有力候補とされる。国の存続をシュタールマルクに依存している。
- 対応国シュタールマルク
- 北方海底ケーブル承認の取り消し、新規入国査証の発行停止、物資輸出の医薬品・食料への限定を実施。
海上自治共同体 アルカ・メリア
西洋の海沿いに位置する共有主義・穏健派の中心地。名は海上だが実態は海沿いに暮らす者たちの共同体。通信技術に秀でる。移動・物品運搬はフィヨルディア王国を通さなければ機能しない。
- 対応国フィヨルディア王国
- 経路上の要所として間接的な監視を担う。
リュミエル自由連邦
ツァーリナ連邦の近隣に位置する共有思想系・実利主義の連邦。近年は科学一辺倒の傾向を持つ。上層部はツァーリナに恭順しているが、末端まで思想教育が浸透している。過去にツァーリナの研究成果が外部流出したルートとして特定されている。
- 対応国ツァーリナ連邦
- 実質的な影響下に置くが、内部浸透への警戒を要する。
サンクト・ヘレナ共栄圏
北米大陸南部の高原から半島にかけての一帯を核とする、国境線の曖昧な緩やかな共同体群。アヴァロン南端と直接接する陸境を持ち、南はソラネス帝国の影響圏と接する。首都的機能は元植民都市サンタ・エレナ(Santa Helena)に置かれる。共有思想系・折衷型。もともと共有主義であったが、現在は国家保護主義と折衷しつつある過渡期の存在。国名は20世紀末から21世紀初頭に蜂起を指導した女性指導者エレナ・サンタ(Helena Santa)に由来し、死後に聖女視され、中欧系移民コミュニティの影響でドイツ語・ラテン語混淆の「Sankt Helena」表記が定着した。
- 首長エレナ・デ・ラ・ベガ議長
- 対応国ユニオン・オブ・アヴァロン
- 大西洋ルートの通過制限による監視。ヴィクトリアが直接の監視窓口を担う。
エル・シオネ修道共同体
地中海に位置する男性完全排除型の過激派寄り共同体。マドリヴェラに近接する。男性を完全に排除した修道共同体であり、共有思想の中でも最も先鋭化した形態。過激派の隠れ蓑となりえる存在として警戒される。移動・物品運搬はマドリヴェラを通さなければ機能しない。
- 対応国マドリヴェラ
- 経路上の要所として監視を担う。
バラガン群島連合
東南アジアの群島地帯に分散した共有思想系の緩やかな連合体。群島の地理的分散を活かした物資・人員の隠匿に長ける。
- 対応国マドリヴェラ
ラ・シエルナ盟約領
旧ガリア(現ラ・ヴァロワ)から離反した地域。共有思想の独自路線を歩む。平等殉教の聖地ラ・ヴァロワから分離した経緯を持ち、思想的にラ・ヴァロワと近いように見えるが、ソフィー=クレール・ヴァロワは明確に距離を置いている。
- 対応国ラ・ヴァロワ聖座共和国
イフェレン解放戦線
ヌルザハラ連邦周辺に位置する解放思想系武装組織。「解放」を掲げながら、実態は暴力的手段を辞さない武装組織。
- 対応国ヌルザハラ連邦
料理
作中に出た料理と献立を話数順にまとめた。Ep.の数字を押すと、その話の本文が開く。
登場人物
Ep.562時点。絵のある人物はカードを押すと絵が開く。